「インターネット上の子どもの安全ガイド」

「インターネット上の子どもの安全ガイド」(監修: ECPAT/ストップ子ども買春の会)は、これまで英語をはじめ数か国語で発刊されてきましたが、2002年3月27日、英国外務省の資金援助と(財)インターネット協会のご協力により、日本語版が発刊され、英国大使館にて記者発表を行いました。(改訂版)

 「インターネット上の子どもの安全ガイド」は、法執行機関などにおいて現場研修資料として使われています。また、ECPAT/ストップ子ども買春の会は警察庁における「第1回インターネット上の少年に有害なコンテンツ対策研究会」に 参加協力しました。

◆発刊の背景

子どもの商業的性的搾取(CSEC)は世界的な問題となっており、日本も東南アジアを中心とした国々への子ども買春者の送り出し国、国内におけるいわゆる「援助交際」等の子ども買春、世界規模の子どもポルノの製造・流通拠点、人身売買の受け入れなど、国内外の子どもたちに対する「加害者」として重大な責任を負っています。

このような中で、1996年8月にスウェーデン・ストックホルムで「第1回子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議」が開催され、CSEC根絶のための「宣言」と「行動アジェンダ」が日本を含む全会一致で採択されました。これ以降、日本における「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」(子ども買春・子どもポルノ禁止法)の成立、施行(1999年11月)を含む様々な成果が見られましたが、他方でCSECの犠牲となる子どもたちの数は減少するどころか、むしろ増加しているという指摘が多くなされています。

その要因は様々ですが、重要なものの1つがインターネットをはじめとするコンピュータ技術の進歩及び普及です。すでにストックホルム会議において注意が喚起されていましたが、その後の進展は急速なものでした。2001年12月に横浜で開催された第2回世界会議においても広範な議論が行なわれ、対策の強化が訴えられました。

インターネット等の進歩と普及自体は生活や経済活動の利便を向上させるものであり、子どもたちにも大きな機会を提供しています。また、「iモード」などの携帯電話の普及、ブロードバンド化の進展、そして、2002年度から実施された全ての公立小中高等学校等におけるインターネット接続など、子どもたちのインターネット・アクセス環境はますます向上しています。

しかしながら、それは危険も増大することを意味しており、インターネット等は子どもを性的に搾取しようとする者にとって便利な道具となっています。子どもポルノの製造や取引は低コストで瞬時に行なうことが可能であり、子ども買春観光の宣伝・勧誘・手配も容易になっています。また、インターネットを通じて子どもに接近を試みる者も多く、日本のいわゆる「出会い系サイト」はその顕著な例です。

◆目的

・親、教育関係者等の子どもの保護に責任を有する者が、子どもたちによるインターネットの安全な利用をサポートするために必要な知識を身に付けられるようにすること。

・インターネット業界、警察、関係省庁、NGO等の関係者が、インターネット上の子どもの安全に対する責任を認識し、必要な取り組みを行なうよう、意識喚起と情報提供を行なうこと。

◆方法

エクパット編「インターネット上の子どもの安全ガイド」(日本語版監修:ECPAT/ストップ子ども買春の会、翻訳:宇佐美昌伸、資金援助:英国外務省、協力:財団法人インターネット協会、装丁・印刷・製本:株式会社東京創文社)を関係機関・団体・企業等に配布し、研修の教材、日常業務における参考文書、インターネット上の子どもの安全に関するプロジェクトの立案・実施の素材などとして活用することを促します。

◆具体的な配布対象

1. 保護者・教育関係者(各地の教育委員会、PTA、教職員組合等)

2. インターネット関係団体・企業等((財)インターネット協会、インターネット・ホットライン連絡協議会等)

3. 関係行政機関(警察、文部科学省、総務省、経済産業省、地方自治体担当部門等)

4. NGO(子どもの権利NGO等)

5. 国会議員

6. マスコミ

7. その他

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