第2回世界会議

経緯   内容と特色   会議までの動き   各種資料
ECPATワークショップ報告 日本インターネット協会報告 他団体ワークショップ報告

ECPATワークショップ報告

"Value and Commercialization of Child Sexuality: Focusing on the Current Japanese Child Pornography---Towards Future Legislation"
子どものセクシュアリティーの商品化と価値観:現在の日本の子どもポルノに着目しながら将来の立法化に向けて
ECPAT/STOP JAPAN in Cooperation with TAIWAN ECPAT, December 19, 2001 Yokohama, JAPAN
ECPAT/STOP Japan:Affiliate Member of International ECPAT (ストップ子ども買春の会、国際エクパットの提携団体)

■日本の<価値観>を問う

■世界会議ワークショップ報告

 世界会議3日目の12月19日,会議会場のパシフィコ横浜304号室で「ストップ子ども買春の会」主催のワークショップ「価値観_子どもの性の商品化について_,来年の法改正に向けて」が持たれた。参加者は120名以上。司会は大森佐和氏。

 発言の初めに,法制定時に清水澄子前参院議員の秘書だった宇佐見昌伸氏が制定過程から現行法の課題までを概説。次いで法施行後の情況につき,宮本潤子氏が警察や企業との協力について発言。

 三番目に子どもポルノ(ビデオやコミック)やインターネットの現況を,中原眞澄と大森が報告。更にロリータ文化(子どもを性的対象として見たり扱ってよいという価値観)の社会的な刷り込み情況について藤本ヘレン氏が発言した。

 四番目に,台湾ECPATのリ・フェン氏が同国でのインターネットを用いた買春・ポルノ状況と法改正の動きを語った。

 学者の中に"援助交際"を後押しする者もいると語り,共通の問題を感じさせられた。さらにアイルランドで取り組んでいるフロア参加者から,子どもポルノの所持が不法とされる同国でもインターネットで入手する動きがあること,日本のマンガが西欧の子ども性愛者に広く所有されており,子どもを性的対象とする価値観を醸成する働きではコミックと写真を区別する理由はないという発言があった。

 今年に予定される子ども買春・ポルノ処罰法の見直し改正を,子どもの最善の利益に沿ったものにする目的で活動しているストップ子ども買春の会としては大いに意を強くした会であった。特に大きな課題としてきた,第一にコンピュータ処理の疑似ポルノやコミックは当然,第二に音声等によるものも子どもポルノに含めて処罰対象とし,第三に,頒布や公然陳列等に限らず,単純所持も処罰することが,会場から賛意をもって受け止められた。表現の自由やプライバシー侵害の危険性といった理由でこうした改正を封じようとする傾向が今なお,運動内部と業界が結託してある中で,一応の評価はできる会となったのではないか。

 (報告:共同代表 中原眞澄)
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■ワークショップ資料

ECPAT(エクパット)の子どもポルノに関する方針 (ECPAT POLICY on Child Pornography)

■エクパットは、子どもを関与させる性的活動を描写し若しくは模写した、又はあからさまな仕方で子どもの性器を開示した18歳未満の子どものあらゆる筆記、視覚的又は聴覚的描写に反対する。

■エクパットは、全ての国が擬似子どもポルノを含む子どもポルノの製造、頒布、輸入及び単純所持を犯罪とし、製造者、頒布者、輸入者及び/又は所持者に厳しい刑罰を科すべきであると信ずる。その際、犯罪意図又は商取引の証拠があることを要件としてはならない。エクパットは、全ての国において適切な立法がなされることを目指して、ロビー活動と意識喚起をすることにコミットする。

■エクパットは、子どもの権利一般及び性的搾取から保護される子どもの権利が大人のプライバシー及び言論の自由に対する配慮に優越すべきであると信ずる。子どもの最善の利益が優先されるべきである。

■エクパットは、インターネットに関係する子どもポルノの訴追を容易にする二国間及び多国間取り決めを含む立法及び法執行メカニズムの適切なモデルの検討を支持する。エクパットは、コンピュータ及びインターネットを利用した子どもポルノの伝送に関わる技術的問題に対する解決策を見付けるために、インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)やソフト及びサーチ・エンジン製造業者と前向きかつ協力的な関係を構築することを目指している。

■エクパットはISPに対して、警察に子どもポルノを通報することを約束し、ユーザーにその意思を知らせるとともに、サイト上で子どもにやさしい情報を提供することを内容として盛り込んだ行動規範を定めることを奨励する。エクパットはISPに対して、子どもに対する性犯罪者によるインターネットの犯罪利用を防止するため、法執行機関にあらゆる可能な協力をすることを奨励する。

■エクパットは、子どもたちが子どもポルノの犠牲者や被写体となったり、インターネットを介して有害な素材に晒されたり、誘われたりするリスクを減少させることを可能にするような市民教育や意識喚起プログラムを支持する。

■よって、エクパットは、子どもたちや大人たちが子どもポルノを通報したり、インターネット利用に潜む危険について学んだりすることができる国内ホットラインや教育ウェブサイトの開設も奨励する。

■エクパットは、地元の警察の具体的な許可があり、彼らとの協力がなされていない限りは、また、教育目的で厳格に管理された状況下にない限りは、その業務において、スタッフやメンバーが子どもポルノを所持することは適切でないと考える。

■しかし、エクパットは、法執行機関が立法者や裁判官のような社会変革をもたらす可能性のある者に対して子どもポルノの例を示すことは奨励する。

この文書は『インターネット上の子どもの安全ガイド・エクパット編』 (Protecting Children Online: An ECPAT Guide)から転載したものです。英語版は2000年7月発行、日本語版は2002年3月発行されました。
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Since 1992, ECPAT/STOP Japan has been engaging in various activities with the emphasis on Advocacy, Lobbying activities, and Youth Programs in cooperation with other NGOs, governmental agencies, and ECPAT International.
1992年 設立以来、ストップ子ども買春の会(ストップ)は、他のNGO、関係政府機関、国際エクパットとの協力のもと、啓発活動、ロビー活動やユースプログラムに特に焦点をあてて活動を行っています。

Especially, ECPAT/STOP Japan contributed to pass the Japanese law to ban CSEC enacted in May 1999. Now we need to focus our energy on lobbying for the law amendment in 2002.
特に、ストップは1999年5月に成立した子ども買春・子どもポルノ禁止法

Today's Agenda
1) Current Japanese Laws to Bann CSEC 
現在の子ども買春・子どもポルノ禁止法

2) Current Legal Enforcement and the Cooperation with Police and the Internet Agency
現在の警察庁やインターネット協会との協力、および法執行状況

3) Current Situation of Child Pornography in Japan
日本における子どもポルノの現状

4) Immature Sexual Culture--- Lolita as Socially Constructed Distorted Images of Children's Sexuality
未成熟な性文化 ロリータ文化_社会的に構築された歪んだイメージとしての子どものセクシュアリティー

5) Toward the Law Amendment ---Suggestions and Sharing Other Countries' situations
 法改正に向けて _質問、意見、他国での経験など

6) Summing Up --Proposals toward the Law Amendment
 日本の法改正に向けての提案、提言

Though banned, child pornography is still widely available in Japan. Given the highly developed culture of comics, child pornography in the forms of comics and animation, the use of sexual image of female high school students causes serious threats to children's dignity. We will discuss how we should amend the Japanese law in 2002.
禁止されたにもかかわらず、子どもポルノは日本で広く販売されている。発達した日本のコミックやアニメの子どもポルノや女子高校生を使った子どもポルノは子どもの人権への侵害になっている。2002年の法改正に向けてどのように法を改正するべきか、話し合います。
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Legislation Process of the Japanese Law for Punishing Child Prostitution and Acts Related to Child Pornography and for Protecting Children
子ども買春・子どもポルノ禁止法の制定過程

1994:Japan ratified the UN Convention of the Rights of the Child (CRC). ECPAT/STOP lobbied for law amendments regarding child pornography But no new / revised laws
日本が国連子どもの権利条約を批准 ストップは子どもポルノに関する法改正を求めた。しかし、新法制定も法改正もなされなかった。

1996:tockholm Congress Japan was severely criticized for its inaction Government delegates were made aware that Japan was far behind. However, the government's follow-up actions did not include legislation So, some parliamentarians started to prepare legislation
ストックホルム会議 日本の無策が強く批判された。 政府代表団員は日本が大きく遅れを取ったことを認識させられた。 しかし、政府のフォローアップには立法は含まれなかった。 そこで、数名の国会議員が立法作業に着手した。

1997/6:The ruling coalition (then composed of Liberal Democratic Party, Social Democratic Party and Sakigake) set up a project team to draft legislation against CSEC.
連立与党(当時は、自民党、社民党、さきがけ)が児童買春問題等プロジェクトチームを設置し、法案作成作業を開始。

1998/4:The ruling coalition submitted the Bill to the parliament. But the Bill remained to be undiscussed until the end of the year.
与党が法案を国会に提出。 しかし、審議がされないまま、年末を迎えた。

1999.1:All-party working group (i.e. from right to left) sit together to come up with a modified bill which is agreeable for all parties.
全党・会派が参加する児童買春問題勉強が発足し、法案の検討作業を行なう。

1999.6:The modified Bill was passed with consensus.
自社さ法案を修正した法案が全会一致で可決される。

1999.11:The Law came into force
法律が施行される。

By 2002.11:The Law should be reviewed, as stipulated in it.
法律で定められている通り、見直しを行なわなければならない。

Optional Protocol to CRC;  any representation by whatever means, of a child engaged in real or simulated explicit sexual activities or any representation of the sexual parts of a child for primarily sexual purposes
子どもの売買、子ども買春及び子どもポルノに関する子どもの権利条約選択議定書 現実の若しくは擬似の露な性的活動に従事する子どもの、いかなる方法でなされるいかなる描写、又は性的目的を主としてなされる子どもの性的部位のいかなる描写。

Interpol Specialist Group on Crimes Against Children;  Child pornography is created as a consequence of the sexual exploitation or abuse of a child. It can be defined as any means of depicting or promoting the sexual exploitation of a child, including written or audio material, which focuses on the child's sexual behaviour or genitals.
インターポール「子どもに対する犯罪に関する専門家グループ 子どもポルノは子どもに対してなされた搾取又は性的虐待の結果として作られる。子どもポルノは、子どもの性的行動又は性器に焦点を当てて子どもの性的虐待を描写又は促進するいかなる方法と定義することができ、印刷及び/又は聴覚素材を含む。

ECPAT Visual pornography: The visual depiction of a child engaged in explicit sexual activity, real or simulated, or the lewd exhibition of genitals intended for the sexual gratification of the user, and involves the production, distribution and/or use of such material.

Audio pornography: The use of any audio devices using a child's voice, real or simulated, intended for the sexual gratification of the user, and involves the production, distribution and/or use of such material.
視覚的子どもポルノ:利用する者の性的興奮を目的とする、現実の若しくは擬似の露な性的活動に従事する子どもの視覚的描写、又は性器のあからさまな開示であり、そのような素材の製造、頒布及び又は利用を含む。 聴覚的子どもポルノ:利用する者の性的興奮を目的する、現実の又は擬似の子どもの声を用いるいかなる聴覚装置の使用であり、そのような素材の製造、頒布及び又は利用を含む。
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Article 1 Objective The objective of this Law is to protect the rights of children by prescribing punishment for acts related to child prostitution and child pornography, and by establishing measures including the giving of appropriate protection to children who have suffered physically and/or mentally from the said acts, in light of the fact that sexual exploitation and sexual abuse of children seriously infringe upon the human rights of children.
第一条(目的)  この法律は、児童に対する性的搾取及び性的虐待が児童の権利を著しく侵害することの重大性にかんがみ、児童買春、児童ポルノに係る行為等を処罰するとともに、これらの行為等により心身に有害な影響を受けた児童の保護のための措置等を定めることにより、児童の権利の擁護に資することを目的とする。

Article 2 Definitions 1. For the purpose of this Law, a "child" means a person under the age of 18 years.
第二条(定義) 1 この法律において「児童」とは、十八歳に満たない者をいう。

Note: This means that the Law only covers an actual child. 注: これは本法が実在の児童のみを対象としていることを示している。
3. For the purpose of this Law, "child pornography" means photos, videotapes and other visual materials which:

(i) depict, in a way that can be recognized visually, such a pose of a child relating to sexual intercourse or an act similar to sexual intercourse with or by the child;

(ii) depict, in a way that can be recognized visually, such a pose of a child relating to the act of touching genital organs, etc. (i.e., genital organs, anus and nipples) of the child or of having the child touch someone else's genital organs, etc. in order to arouse or stimulate the viewer's sexual desire; or

(iii) depict, in a way that can be recognized visually, such a pose of a child who is naked totally or partially in order to arouse or stimulate the viewer's sexual desire.
3 この法律において「児童ポルノ」とは、写真、ビデオテープその他の物であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。 一 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したもの

二 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。)を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写したもの

三 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写したもの

Article 7 Distribution, etc. of Child Pornography 1. A person who distributes, sells, lends as a business, or displays in public, child pornography shall be punished with imprisonment with labor for not more than three years or a fine not exceeding three million yen.

2. A person who produces, possesses, transports, imports to or exports from Japan child pornography for the purpose of conducting any of the acts mentioned in the preceding paragraph shall be punished with the same penalty as is described in the said paragraph.

3. A Japanese national who imports to or exports from a foreign country child pornography for the purpose of conducting any of the acts mentioned in paragraph 1 of this article shall be punished with the same penalty as is described in the said paragraph.
第七条(児童ポルノ頒布等)

1 児童ポルノを頒布し、販売し、業として貸与し、又は公然と陳列した者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。

2 前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。

3 第一項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを外国に輸入し、又は外国から輸出した日本国民も、同項と同様とする。

Original Bill submitted to the Parliament in 1998
1998年に最初に国会に提出された法案

Article 2 Definitions 3. For the purpose of this Law, "child pornography" means photos, drawings, videotapes and other visual materials which...
第二条(定義) 3 この法律において「児童ポルノ」とは、写真、絵、ビデオテープその他の物であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう……

Prohibition of possession of child pornography Anyone must not possess child pornography for the purpose of his/her own sexual gratification (no punishment)
児童ポルノの所持の禁止 何人も、自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持してはならない。

Proposed definition of child pornography by the Social Democratic Party (presented Aug. 20, 1997)
社会民主党が提案した子どもポルノの定義(1997年8月20日付文書)

1. Any representation of a child engaged in sexually explicit activities, or of genitals or anal region of a child, the dominant characteristic of which is for sexual purposes or Any audiovisual material which uses a child in a sexual context

2. Pseudo child pornography including morphed images and comics must be covered.
1 子どもが性的に露な活動に従事している、〔又は〕子どもの性器もしくはアナル〔肛門〕周辺の、いかなる形態の表現であり、かつその支配的な特徴が性的目的での描写 あるいは、子どもを性的文脈で使用しているいかなる視聴覚素材

2 コミックやコンピュータ合成のポルノなどの擬似子どもポルノも対象とする
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The provisions related to child pornography in the Japanese Law for Punishing Acts Related to Child Prostitution and Child Pornography, and for Protecting Children

Article 1 Objective

The objective of this Law is to protect the rights of children by prescribing punishment for acts related to child prostitution and child pornography, and by establishing measures including the giving of appropriate protection to children who have suffered physically and/or mentally from the said acts, in light of the fact that sexual exploitation and sexual abuse of children seriously infringe upon the human rights of children.

Article 2 Definitions

1. For the purpose of this Law, a "child" means a person under the age of 18 years.

3. For the purpose of this Law, "child pornography" means photos, videotapes and other visual materials which:

(i) depict, in a way that can be recognized visually, such a pose of a child relating to sexual intercourse or an act similar to sexual intercourse with or by the child;

(ii) depict, in a way that can be recognized visually, such a pose of a child relating to the act of touching genital organs, etc. (i.e., genital organs, anus and nipples) of the child or of having the child touch someone else's genital organs, etc. in order to arouse or stimulate the viewer's sexual desire; or

(iii) depict, in a way that can be recognized visually, such a pose of a child who is naked totally or partially in order to arouse or stimulate the viewer's sexual desire.

Article 3 Caution in Applying This Law In the application of this Law, care should be exercised so as not to infringe upon the rights of the people without due cause.

Article 7 Distribution, etc. of Child Pornography

1. A person who distributes, sells, lends as a business, or displays in public, child pornography shall be punished with imprisonment with labor for not more than three years or a fine not exceeding three million yen.

2. A person who produces, possesses, transports, imports to or exports from Japan child pornography for the purpose of conducting any of the acts mentioned in the preceding paragraph shall be punished with the same penalty as is described in the said paragraph.

3. A Japanese national who imports to or exports from a foreign country child pornography for the purpose of conducting any of the acts mentioned in paragraph 1 of this article shall be punished with the same penalty as is described in the said paragraph.

Article 10 Crimes Committed by Japanese Nationals Outside Japan The crimes specified in Articles 4 to 6, paragraphs 1 and 2 of Article 7, and paragraphs 1 and 3 (limited to the part thereof which relates to paragraph 1) of Article 8 shall be dealt with according to the provision of Article 3 of the Penal Code (Law No. 45 of 1907).

* This article says that these provisions are applicable to a crime committed by a Japanese national abroad.

* The full text of the Law in English can be found at the web site  of the Japanese National Police Agency (http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen/index2.htm).
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他団体のワークショップ報告

■ ネパールの人身売買と少女の現状  主催:ラリグラス・マイティ・ジャパン、日時:12月17日 14:30-16:30

 NHK・BSで放映されたという「売られる少女を取り戻せ ネパール闘う母の家」上映の後、マイティー・ネパール代表のアヌラダ・コイララ氏の基調講演からワークショップは開始された。ネパールでは、毎年5000-7000人の10代の少女が、インドに売られ、現在10万人以上のネパール人女性がインドの売春宿で働かされているとの報告に非常にショックを受けた。このような状況を改善するため「自国のことは自分たちの手で」と車の窓から通行人にチラシを配って呼びかけを行なっている。ネパールは嘗て「エベレストの国、仏様の国」と言われていたが、今や「人身売買の国」になってしまったと嘆きの思いを述べた。  

 最後にある女性の体験談を聴くことが出来た。彼女は人身売買の被害者でマイティーに救助され現在はマイティー・ネパールのスタッフとして活動している。勤め先で知り合った友人に、「お金を沢山貰える仕事がある」と誘われ、3人の男性にカトマンズから100キロ離れた寺に連れていかれた。そこでジュースを飲むと意識が無くなってしまい、気がつくと部屋に閉じこめられていた。そして自分がその男性達によって売春宿に売られたことを知った。逃げようとすると暴力を振るわれ仕方なく4ヶ月働いていた。ある時、客の一人がてネパールの親類と一緒に救助してくれた。彼女は話の後半は泣き出してしまい、スタッフに肩を抱かれながら涙ながらに話を終えた。彼女の涙を買春を行う心ない男性に見せたい、そしていつまでも癒えることの無い彼女たちの心の痛みを、罪の意識も無く卑劣な行為を犯す男性にわかってもらえる日が来ることを願い、日本で問題になっている「買春ツアー」の歯止めを関係者は真剣に考え、取り組んでいかなければならないと痛感した。(報告:秋山秀子)
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■ 「国外犯処罰のための国際捜査・裁判協力」  主催:日本弁護士連合会、日時:2001年12月19日 11:15-13:15

司会進行 弁護士 坪井節子氏

1.ワークショップ趣旨説明 弁護士 守屋典子氏

2.プレゼンテーション
 (1)タイ_日本ケース報告 平湯真人氏(弁護士)
 (2)タイ_スウェーデン報告 ワンチャイ・ルジャナッブー(タイ法務省刑事法研究所長・FACE議長)
 (3)種々のケースと問題点に関するコメント モーリーン・オブライエン(国際エクパット事務局長・法執行グループ)
 (4)フィリピン_オーストラリア,フィリピン_アメリカ合衆国の刑事司法共助条約 メルセディタス・グチャレス氏(フィリピン法務省副長官)

3.会場討論

◆内容のポイント◆

1.タイ_日本ケース報告 〜「ケーススタディ 子ども買春と国外犯処罰法」(明石書店)ケース15事例〜
1996年9月にタイのパタヤで起こった、日本人Aによるタイ人11歳少年Bへの強制わいせつ事件について、タイのNGOと日弁連が連携し、両国の捜査機関を動かしたが、結局、2001年5月、日本の検察庁が不起訴処分の結論を出した。

問題点は、次のように整理できる。
・ 日本の検察・裁判における証拠評価姿勢(非常にさまつなことにこだわり、それが食い違ったために、犯罪は明らかにあり、犯人も被害者も特定できているのに、被害者の供述の信用性にかけるという評価がされた。)
・ 捜査共助に時間がかかりすぎる(5年も経過すると被害者の記憶があいまいになっていく。)。
・ 両国の捜査機関の共通理解の不足していた(タイ警察の初動捜査のときに、日本の捜査機関が要求する水準の証拠がおさえられていなかった。)
・ 子どもが被害者であるという配慮がなかった(被害者Bを日本までつれていって供述をとった。)。

2.タイ_スウェーデン報告 ワンチャイ・ルジャナッブー氏(タイ法務省刑事法研究所長・FACE議長)
成功例:「ケーススタディ子ども買春と国外処罰法」(明石書店)のケース13の事例
成功のポイントは、両国の捜査機関、NGOの連携がうまくいったこと、特に、スウェーデン側の、処罰に対する積極的な姿勢にあった。

◆感想◆ 1.日本の問題として、捜査機関の消極的な姿勢が気になった。

タイ_日本ケースで、日本の取調官が供述でしつこく追及したのが、たとえば、「ティッシュはいくつあったか,ベッドの右か左か。着ていたシャツは,何色だったか,長袖か,半袖か。」というようなことだったという説明があった。犯人がわかっていて、事件が確かにあったのに、そこまで捜査していながら結局不起訴とは・・・・・

 タイのワンチャイ氏が、「大事なのは,Aが全裸で少年Bとホテルにいたところを逮捕されたこと,Bがオーラルセックスを強要された,と言ったことではないのか?」と述べられたのは同感である。誤審を避けることは、とことん大切であるが、被害者を放置するのも同様に不正義である。

 この経緯は、被害者に対して,不公正だったと思う。他のパネリストからも、「これが日本人の子どもだったら,不起訴となったか?」という疑問が呈示されていた。

2.国際的な刑事法の運用は、まだ始まったばかりであり、整理しなくてはならないことが、あまりにも多い。しかし、被害者の存在を考えれば、最初から完璧な制度を作り上げることよりも、1つ1つの事案に具体的に対応する中で、工夫と修正を積み重ねて、結果として矛盾の少ない制度ができあがっていくというやり方が求められているのではないか。(報告:有田千枝)
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■「捜査・裁判における子どもの被害者の保護  主催:日本弁護士連合会 日時:2001年12月19日(水)16:30-18:30

司会進行 弁護士 坪井節子氏

1.ワークショップ趣旨説明

2.プレゼンテーション
 (1)タイ_日本ケース報告 弁護士 守屋典子氏
 (2)スウェーデンにおける子ども被害者の保護に関する報告 ヘレナ・カーレン(スウェーデン・エクパット)
 (3)タイ刑事訴訟法の改正に関する報告 ワンチャイ・ルジャナブー(タイ法務省刑事法研究所長・FACE議長)

3.会場討論

◆内容のポイント◆

1.スウェーデン
1999年1月に始まった新しい法律では、ほとんどの子どもポルノが犯罪になり、すべてのメディア・電子媒体・輸出入が対象となる。被害者の子どもの事情聴取は,特別な資格を持つ者が行う。その資格のためのトレーニングは,最低1ヶ月であり,子どもの権利,傷つきやすい状況の緩和,子どもと接するときの留意点などについて,研修される。研修期間が1年に延長される予定である。

2.タイ刑事訴訟法の改正
 1999年の改正については、ボランティア・グループが2週に1回,ホテルの1室にこもって,午後5時から8時までこもってミーティングを行い,起草作業にあたった。ホテルの費用は,ユニセフが負担した。ボランティア・メンバーは,裁判官,検察官,ソーシャル・ワーカーその他である。

 これは、タイの新憲法が,弱者のことを決めるときは,委員会を作って議論して草案を作成しなければならないことを規定しており、その委員会には,専門家は3分の2までで,NGOが3分の1いなければならないとされているからである。

 改正法は、 2000年2月から施行されているが、法律の運用のための専門家の研修は今も続いている。

  この法律により、子どもからの事情聴取は、警察官だけで事情聴取できないようになった。警察官,ソーシャル/ワーカー若しくは心理技官のチームで対応する。検察官も出席しなければならない。検察官の役割は、法律の求めていることがカバーされているかのチェックである。これは、無駄に何回も子どもから事情聴取を行わないで済むようにするための配慮である。ビデオにも録画される。検察官・警察官は別室で,モニター・イヤホン・マイクを通じて参加する。つまり,コミュニケーションはとれるが,子どもに威圧感は与えない。居心地の良い部屋で行われ,親の付き添いも可能である。また、子どもの記憶は短いので,早い段階(起訴前でも)において,審判をひらいて証言してもらう。月曜日の事件なら,金曜日には証言も可能となった。

◆感想◆

 タイにおける積極的な取り組みに感心した。日本でも、少年法や刑事訴訟法の改正で、以前よりは、被害者に配慮したものになってきている。しかし、子ども買春については、被害者の「被害者」としての位置付けがまだ確立されておらず、非行として取り扱われているのではないかという点が大変気になった。ワンチャイ氏は、NGOの議長であるが、現職の法務省幹部でもある。日本の官庁とNGOとの間の垣根の高さを考えると、信じられない思いである。

 スウェーデンもタイも、たずさわる職員の研修にかなり重点をおいている。この点も、日本において政策を実施する際に、大切にしていかなくてはならないと思った。(報告:有田千枝)
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■分科会「児童の商業的性的搾取に係る犯罪に対する国際捜査協力に関する会合」参加記録
主催:警察庁 (財)全国防犯協会連合会 (社)全国補導員協会 日時:2001年12月18日(火)14:00-17:00

1.開会
主催者挨拶  警察庁生活安全局長 黒澤 正和
来賓挨拶   国家公安委員会委員 岩男寿美子
神奈川県警察本部長 栗本 英雄

2.開催国発表
「児童買春・児童ポルノに対する日本警察の挑戦」警察庁生活安全局少年課長 荒木二郎

3.各国プレゼンテーション
「国際捜査協力の推進による成果」
ICPO事務総局人の密輸担当課長 Mr. Hamish McCulloch
ロンドン警視庁部長 Ms. Charole Howlett
英国国家犯罪対策局東部地域担当捜査官 Ms. Sharon Girling
米国財務省関税庁首席関税官 Mr. Timothy E.Bethel
質疑応答
まとめ

4.閉会
総合司会進行  警察庁生活安全局少年保護対策室長 木岡 保雅

5.発表の概要

 日本では,「児童買春・児童ポルノ防止法」施行後2年間で,海外における犯罪も取り締まり対象となり,2300事例が捜査対象となったこと。昨年は1000事例の児童被害が捜査により救出されたこと。児童ポルノの制作や児童虐待に関しては,タイやカンボジアで行われていた事例が,神奈川県警察及び大阪府警察で摘発されたこと。また兵庫県警察,栃木県警察が米国での児童ポルノ売買について捜査したこと。等について紹介され,今後の国際捜査協力の問題点として,各国の法制度の齟齬や言語の壁が大きく,捜査情報を共有していくことが重要だと閉めくくった。

 英国からの報告では,児童ポルノのウェブサイトを運営している大きな組織の捜査の過程で,多数の児童誘拐事件を摘発するに至った事例について紹介がなされた。 また,インターネット産業界自身が児童虐待や児童ポルノをイメージさせる情報を削除し,子どもがアクセスしたり,将来のぺドファイル予備軍の発生を防止する必要があること。そのための法整備を急ぎ,各国の捜査情報をデータベース化し,情報を活用しながら捜査協力していく方策を模索中であることなどが論じられた。

 分科会傍聴は,途中までだったのでその後の詳細な発表と質疑応答を聞けなかったのが残念でしたが,100名以上収容できる会場内に立ち見が出るほどの盛況ぶりで,英語日本語の同時通訳がつき,スクリーン上では発表者の手元のパソコン操作でレジュメが大きく動きのある見やすい提示でなされ興味深いものでした。 (報告者 大橋)
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