2005年の活動

第3回国際エクパット総会報告〜9月8-10日 リオデジャネイロ〜
「国際ECPAT円卓会議」「アジア太平洋地域協議会」〜6月12-16日 バンコク〜

第3回国際エクパット総会報告〜9月8-10日 リオデジャネイロ〜

日本から20数時間のフライトの後、会場となるリオデジャネイロに到着。過去2回3年に一度バンコクで行われていた総会ですが、ブラジル政府の協力もあり、今回はじめて南米で総会が開催されました。参加者は最終的に世界60か国から200名を越えました。南米をはじめ、距離が近いからか南アフリカやヨーロッパ諸国からの参加者の姿が目立ちました。

総会では役員選挙の実施、向こう3年間の活動の戦略的方向性、組織の強みと弱みの確認、運動の到達目標などが事前の資料をもとに話し合われました。トップはフランス人女性のジョー・デ・リンデ氏から、国際エクパットで「青年の参加」を促してきたフィリピン人女性のアミハン・アブエバ氏に決まりました。また、世界各国に拡大するエクパットネットワーク及び国際事務局の強化についても話し合われ、さらにネットワーク間の情報・経験の共有のための話し合いが多数行われました。以下は特に印象に残った発言です。

■パネリストの発言から■

●子どもポルノ収集家の特徴カナダの発言者から●
検察官として13年間子どもポルノ事件に携わった経験から、子どもポルノ収集家の大半は男性。女性は非常に少ない。逮捕後の供述によれば、彼らは「子どもが虐待される」「子どもが痛みを感じている」「子どもの自尊心が打ち砕かれている」など好みの画像に関心を持つ。アジア人やアフリカ人、など特定の人種に関心を持つ者もいる。ジェンダーの好みも画像の選択に影響を与える。非常に多くの場合、彼らは自分が集めた「コレクション」に固執する。子どもポルノの大量収集家が逮捕後最も心配したのは、自分が集めたコレクションを返してもらえるかどうかであった。警察の統計によれば、インターネット上の子どもポルノ消費者の30-40%が実際の子ども虐待に関わった過去を持つというが、実体はそれ以上だと思う。子どもポルノ画像を四六時中消費し続ける人々は子どもに対する危険な性的関心を持っている。

●性産業はいかに消費者の需要を刺激するか ブラジル(オランダ人)の発言者から〔JEPIARA Program〕●
(アマゾン地域の先住民族、特に女性と子どもが差別・搾取の対象となっている原因は長年の国家の経済・移民政策により先住民が安価な労働力として、またエキゾチックな商品と位置づけられた結果であると指摘した後に) 性産業マーケットは常に需要、消費者を求めている。そのため、テレビ、雑誌などマスメディア通し、様々なテクノロジーを駆使し「優れた、支配的性としての男性」イメージをつくる。男尊女卑を強調するファンタジーを「繰り返し、際限なく、“限界”を否定しつつ」人々の間に流し、これらのイメージへの需要を喚起していく。性産業が需要を刺激するのに、世界中の人々が容易にアクセスできるインターネットは大変有利な媒体である。上記のイメージの中には「被害者は同意している」「(買春・子どもポルノは)被害者の自由意志・選択なので加害者には責任がない」「(買春、ポルノを楽しむことは)搾取でも暴力でもない」というメッセージが盛り込まれている。このような環境のもと性犯罪者が生みだされていく。

■ ブラジルでコード・オブ・コンダクト調印!■

アコーホテル・ブラジルのイニシアティブにより、総会中ブラジルでもコード・オブ・コンダクトが調印されました。(参考:コードプロジェクト)
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国連総会(2006年)に向けた「子どもに対する暴力」調査報告のための「国際ECPAT円卓会議」「アジア太平洋地域協議会」に参加〜6月12−16日バンコク〜

05年6月バンコクで表記2つの会議が開催され出席した。12〜13日は国際ECPATが欧米やアジアから専門家20人を召集した円卓会議、14〜16日は国連児童基金(UNICEF)、世界保健機関(WHO)、国連人権高等弁務官事務所(UNHCR)共催の政府、国際機関、NGO代表250人以上を擁したアジア太平洋地域協議会。

「国際ECPAT円卓会議」

会議の目的は、国連子ども特別総会直前の2002年2月子どもの権利委員会の提言に応えて国連総会が採択した決議の実施であり、その決議とは「子どもに対する暴力」に関して掘り下げた世界規模の調査を事務総長直属で執り行うこと。事務総長は調査の実施パートナーとしてUNICEF,WHO,UNCHRを指名し、また、P.S.ビンヘイロ教授を独立した専門家として調査家庭の監視・指導役に任命、教授はアジア太平洋地域会議にも出席しコメントを述べた。

今回の調査は、1996年に出された「武力紛争下の子ども」に関する国連調査報告に続くもので当初、調査分野として暴力の起こりうる場所―家庭・家族、路上・地域、学校、施設、仕事場―の6個所が提示されていた。しかし、現在子どもたちがとてつもない時間をインターネットの仮想空間やメディアの中で費やしている現実から、もう一分野、性的虐待・搾取・いじめ・心理的懐柔といった子どもへの暴力が頻発しているサイバースペース/インターネット環境を7番目に加える必要があると国際ECPATが訴え、それを国連の調査慣習委員会が了承したとのこと。世界を9ブロックに分け開かれている会議の中で、初めてアジア・太平洋地域会議がこの問題を取り上げることとなった。慣習委員会は国際ECPATをこの分野で取りまとめ役に任命し、最終報告に反映させるための一環として、地域会議直前に専門家会議が招集されたのである。

ECPAT専門家会議の錚々たる面々は、3月ストップ子ども買春の会が日本にお呼びしたCOPINEプロジェクトのクエール博士、インターポールで長年の人身売買問題責任者ヘイミシュ氏、英国政府とNGO双方に軸足を持つインターネット専門家のカー氏、国際的ホットラインであるINHOPE代表のカラナン氏、各国で安全教育を推し進めているChildnetのガードナー氏など既に知己の方を始め、ネット上の暴力的いじめ(サイバーブリング)・被害者の特定とケア・ネット事件の学術的分析・法的問題等への取り組みを進めている方々とこの分野で活発なECPAT4グループ(日本からは宮本と18歳の綱野君)、計12カ国及び国際機関からの参加であった。

2日の間に子どもポルノ、インターネットや携帯電話を使った手懐けと虐待、統計的数値、地域に特異な問題など新技術に関連した暴力・性的虐待・搾取に関する実態が分かち合われ、次に防止方法・ホットライン・教育と覚醒・警察と法的過程・社会的心理的ケアの実践・様々な革新的試みについても情報交換が行われた。

「アジア太平洋地域協議会」

続く国連会議場での3日間のアジア太平洋地域協議会では、複数の基調講演とパネル発表、そして7分野に全員が分かれてのグループディスカッションが持たれ、最終日には、報告書に向けたアジア太平洋地域としての話し合いの結論文書が出された。

今回の会議で目立った特徴は、「子ども参加」の中身の進展だった。子どもたちが本会議の前に子どもだけの会合を持ったのは子どもの商業的性搾取に反対する第1回・第2回の世界会議や地域会議と同様であったが、今回は本会議においても男女1名ずつが大人と同様に各国からの18歳未満代表(Under 18 Delegates)として位置づけられ、講演、パネル、分科会と同じプログラムに出席し意見を述べ、テーマに関する発表も行った。子どもたちには通訳とケアテイカーとスーパーバイザーという3層の守りが与えられ、14〜17歳の26人は全体会でも分科会でも非常に活発な発言がなされた。中には限られた時間内にあまりに子ども優先に発言権が与えられ、大人の代表者の中から苦情が出される一幕もあった。今回子どもたちは、個人的被害体験者としての出席ではなく、子どもに対する暴力問題の活動家としての代表出席であった。出席者全員に渡されたキットにはこうした点に関する説明資料が複数綴じられ、特に大人代表(Adult Delegates)の理解が求められていた。
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